タラバガニとズワイガニの違いがよく分からず、カニ通販で注文する時に、あれ?どっちがタラバガニ?ズワイガニ?と混乱する人も多くいます。
タラバガニとズワイガニは、カニ通販のお取り寄せでは2大人気カニです。毛ガニとの区別は何となくわかっても、意外と区別がわからないのがタラバガニとズワイガニです。
タラバガニとズワイガニの違いを知れば、好みや食べる目的に合ったカニを選べます。
タラバガニとズワイガニ違い
タラバガニとズワイガニ違いについて「外見」「大きさ」「脚(足)の数」「味」「食感」「カニ味噌」「旬」「栄養素」「ブランド性」「生物学」などを、徹底的に比較しました。
タラバとズワイの外見、大きさの違い
タラバガニとズワイガニは、見た目の外見、大きさが違います。タラバガニの外見は大きくは、ドッシリとした見た目で脚がとても太いのが大きな特徴です。ズワイガニは、タラバガニに比べて外見の見た目が小ぶりで脚が細くて長いのが特徴です。
脚の数はタラバガニは8本、ズワイガニは10本あります。生物学ではハサミの部分を「鋏脚(きょうきゃく)」と呼び、脚が変化したものてし数に含みます。
カニの種類 | 脚(足)の数 |
タラバガニ | 左・右4本ずつ(計8本) |
ズワイガニ | 左・右5本ずつ(計10本) |
甲羅はタラバガニが大きくトゲトゲしい感じで、ズワイガニは比較的小ぶりでツルっとした感じで三角形をしています。
タラバガニは甲羅が25cmぐらいで全長では1mを超えることもあります。ズワイガニはオスとメスで大きさが違い、オスで甲羅が14cmぐらいで全長では70cm程度、メスは甲羅が7cmぐらいです。
タラバガニ | ズワイガニ |
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タラバガ二は生物学上の分類でヤドカリ?
タラバガニとズワイガニを生物学で分類すると、「タラバガニ」はヤドカリ科、「ズワイガニ」はカニ科に分類されます。
タラバガニは脚が8本でヤドカリ科
タラバガニを上から見ると脚(足)数が8本で、さらに腹部の形が左右で非対称なので、ヤドカリ科になります。
実はタラバガニは一見、脚(足)が8本に見えますが、本当は第四腹脚が退化して小さくなって甲羅に隠れています。8本に見えるだけで本当は10本あります。
タラバガニがヤドカリ科でも、ヤドカリのように宿を借りたりはしません。
宿を借りていないのにヤドカリ科?と不思議に思うかもしれません。「甲殻類」で分類すると、同じく宿を借りていないエビもヤドカリ科です。
生物学の分類は区分の仕方によっても違い、専門家でも意見が分かれます。
同じようにヤドカリ科に属するカニは、ハナサキガニ、ヤシガニ、ワタリガニです。
ズワイガニは脚数が10本でカニ科
ズワイガニの脚(足)数は10本で、カニ科の条件に当てはまります。
ちなみに毛ガニも10本でカニ科になります。
生物学の分類で美味しさは決まらない
タラバガニとズワイガニの比較で、タラバガニは「カニではない」と、タラバガニを格下扱いにしている表現を見かけます。
これはあくまで生物学上の分類で、美味しいとは別のことです。タラバガニは多くの人から実質的に「カニとして」愛され続けています。値段もカニ科ズワイガニよりも高かい値段で売られていることもあります。
生物学分類では、「タラバガニ」はヤドカリ科、「ズワイガニ」はカニ科に分類されますが、それが価値を決めるわけでもなく、結局は「美味しいかどうか」です。
タラバガニとズワイガニの語源と漢字表記
タラバガニは漢字で「鱈場蟹」と表記されます。魚の鱈(タラ)が多く獲れる漁場の近くで、よく獲れたことから「鱈場蟹(タラバガニ)」と呼ばれようになった説が有力です。多羅波蟹と表記されることもあります。
ズワイガニは漢字で「楚蟹」と表記されます。「楚」は、"すわえ"、または"すはえ"と読んで古語で細い木の枝のことです。この"すわえ"、"すはえ"がナマってズワイになったという説が有力です。「津和井蟹」と書かれることもあります。
タラバとズワイの味と食感の違い
タラバガニとズワイガニの味と食感はある意味では見た目の通りとも言えます。
味と食感の違いは、タラバガニが脚が太い分「少しだけタンパクですが、プリプリと食べ応え十分」で、ズワイガニは「身が繊細で独特の甘みがある」のが特徴です。
この特徴の違いから、引き締まった身をガブリ!ムシャムシャと「カニを食べた!」という満足感が得られるのはタラバガニで、ズワイガニは身の旨みを上品にジックリと味わうタイプです。
タラバとズワイの食べられる場所
タラバガニとズワイガニはどちらも爪を含む脚は全て食べられ、食べられる場所の一番大きな違いはカニ味噌です。
- カニ味噌が美味しいのは、「ズワイガニ」「毛ガニ」
- 「タラバガニ」のカニ味噌は、美味しくないので食べない
タラバガニのカニ味噌は「傷みやすく」「固まりにくい」のが特徴です。カニ味噌が茹でる時に流れ出してカニ身を不味くなります鮮度の高いタラバガニ姿(丸ごと一匹)で、カニ味噌が付いていても「美味しくない」ので食べないのが普通です。
ズワイガニのカニ味噌は濃厚なコクでクリーミー、これといった癖もなく、とても美味しいのが特徴です。
「ズワイガニ」のカニ噌が緑色になっていることがあります。ズワイガニが海藻類を食べてなったなったもので、不味かったり鮮度が落ちているわけではありません。
カニ味噌を楽しみたいのであれば、「ズワイガニ」か「毛ガニ」です。
カニ味噌だけで選ぶなら一番美味しいのは、何と言っても「毛ガニ」を置いて他にはありません。食通の舌をもうならせる味です。
タラバとズワイの食べ方の違い
タラバガニとズワイガニは、見質や味に違いがあって食べ方にも大きな違いがあります。どんな風に「食べたいか」、「食べるのか」に考えて合った方を選ばないと食べた満足感が得られません。
カニの種類 | 食感と味の違いなど |
タラバガニ | ・足(脚)が太く大きい ・身が引き締まりプリプリの食感 ・カニ身の量が多く食べ応えがあり満足感が高い ・味は少し淡白な傾向 ・カニの王様と呼ばれ”男性的” |
ズワイガニ | ・足(脚)は細い ・食感は柔らかくプリプリ感なない ・カニ身の量が多くないので食べ応えは少なめ ・カニが持つ本来の甘みが強い ・カニの女王と呼ばれ”女性的” |
タラバガニは塩茹で蒸して、ガブリと喰らい付いてシンプルに食べるのが一番美味しい食べ方です。
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美味しいのはどっち?
『どちらも美味しい』が答えです。食感も含めて好みしだいで、私の個人的な好みではタラバガニです。
確かに、ズワイガニの「カニ本来の甘みと旨味」も素晴らしいのですが、
個人的には豪快に「ガブリ」「ムシャムシャ」と、かぶりつきたい方なのでタラバガニが好みです。← 個人的な意見です!
タラバとズワイの旬
カニの旬は冬のイメージですが、必ずしもそうではありません。カニが穫れる場所によってもタラバガニとズワイガニの旬は違います。
実際はカニを買う人のほとんどが、冷凍ガニを買うので旬を意識する必要はありません。
急速冷凍の技術が近年大幅に進歩し、冷凍ガニだから味が劣ることはありません。
ここで取り上げたカニの旬とは、あくまで生きた生(活)カニの場合です。
タラバガニ(生)の旬
●タラバガニの旬は「海明け(流氷が無くなった頃)」後に、オホーツク海で捕れるものは甘味が強く4〜8月が旬です。
もう一つの旬は、タラバガニの脱皮が終わって殻が硬くなる11〜3月です。カニ身の入りが良く「硬ガニ」と呼ばれます。
●海外産でよく知られるロシア産は一年中捕獲ができます。日本海近海で穫れるカニを好む傾向があり、ロシア産やアラスカ産を敬遠する人がいますが味の面で、遜色はありません。
海域 | 旬の時期(穫れる時期) |
根室・オホーツク海 | 11月~翌3月(硬ガニ)・4〜8月(捕獲量が多い) |
ロシア | 一年中 |
ズワイガニ(生)の旬
●ズワイガニの旬は4〜5月、日本海でとれるものは10月〜5月です。
新潟県以北での漁期は10月から翌年5月、以南ではオスが11月から3月、メスが11月から1月です。
海域 | 旬の時期(穫れる時期) |
新潟県以北 | 10月〜翌5月 |
北海道・オホーツク海 | 4~5月 |
富山県以西 | 雄:11月6日~翌3月20日・雌:11月6日~翌1月10日 |
タラバとズワイの栄養素違い
タラバガニ、ズワイガニを含むカニは他の魚類と比較して、低カロリーで高タンパク質、栄養価も高い、満点の良質の食品です。
カニには糖分や脂質がほとんど含まれないので、ダイエット中の人にもオススメです。
カニ種類 | カロリー(100g当り) | 栄養素 |
タラバガニ | 59kカロリー | ●100gに含まれる栄養素はビタミンB1(0.05mg)/銅(1,100μg)/亜鉛(3.7mg)●タンパク質、タウリン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、亜鉛。 |
ズワイガニ | 63kカロリー |
アルギニンなどの良質なタンパク質を含むカニは、疲労回復、免疫力向上、滋養強壮、にとても有効です。
心筋梗塞や動脈硬化の原因になる過酸化脂質を分解するビタミンB2や、神経細胞の活性化を助けるビタミンB12などが含まれています。ビタミンB2やB12を多く含むのは、タラバガニよりもズワイガニです。
タラバとズワイのブランドの違い
どんな品にもブランドがあるようにカニにもブランドがあります。
●タラバガニには、特にこれといったブランドはありません。
●ズワイガニは「越前がに」「松葉ガニ」「間人ガニ」「津居山ガニ」「加能ガニ」など、水揚げした地域や漁港によってブランドがあります。
ブランド・ズワイガニは地域や漁港による自主規格(大きさ・重さ・キズなど)よって選別して「タグやシール」が貼られます。カニそのものは通常のズワイガニと変わりません。
タラバガニとズワイガニの違い一覧表
比較項目 | タラバガニ | ズワイガニ |
見た目 | ![]() | ![]() |
生物学分類 | ヤドカリ上科 | クモガニ科 |
漢字表記 | 鱈場蟹、多羅波蟹 | 楚蟹・津和井蟹 |
甲羅 | 大き目でトゲトゲ | 小さな目でツルツル |
脚(足)太さ | 太い | 細い |
脚(足)数 | 左・右4本(計8本) | 左・右5本(計10本) |
味 | タンパクで食べ応え | 甘みが強く繊細 |
カニ味噌 | 食べない | 濃厚な美味 |
食べ方・調理 | 塩ゆで、焼きガニ、蒸しカニ | かにしゃぶ、鍋類、刺身、蒸しカニ |
カロリー | 59kカロリー(100g当り) | 63kカロリー(100g当り) |
ブランド性 | 無 | 有 |
相場価格(1kg当) | 6,000円〜 | 3,500円〜 |
旬な時期 | 4〜5月・11〜3月など | 4〜5月・11〜1月など |
穫れる場所 | 北海道、ロシア、アラスカ | 日本海、オホーツク、アラスカ |
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